採択されたのに補助金がもらえない?採択後に対象外・減額になる割合と原因
補助金は「採択されたら終わり」ではありません。採択は、補助金を交付する候補に選ばれた段階です。その後の手続きで、経費が対象外になったり、金額が減ったり、受け取った後に返還を求められたりすることがあります。会計検査院の検査結果と、確定検査でよくある指摘から、採択後につまずく割合と原因をまとめました。
採択から入金までの流れ
採択の後には、次の手続きがあります。つまずきが起きやすいのは、交付決定の前後と、実績報告・確定検査の段階です。
- 採択:補助金を交付する候補に選ばれる
- 交付申請・交付決定:見積書などを出し、補助の対象になる経費と上限額が決まる。ここで経費が削られることがある
- 補助事業の実施:交付決定の後に、発注・契約・支払いをする
- 実績報告・確定検査:証拠書類を出し、補助金の額が確定する。書類の不備や対象外の経費があると減額される
- 入金:確定した額が支払われる
- 事業化状況報告など:補助金によっては、数年間の報告が続く。目標の未達成や報告の未提出で、返還を求められることがある
採択率が高い補助金でも、採択後につまずく
IT導入補助金は、申請した事業者の多くが採択される補助金でした。それでも、補助金を受け取った後に会計検査院が調べると、一定の割合で「不当」とされ、返還の対象になっています。採択はゴールではなく、ここからの手続きが同じくらい大切です。
申請63,105件のうち46,352件
約1億4,756万円が不当(2020〜2022年度の交付分)
②で不当とされた理由の多くは、支援事業者から自己負担分を還元してもらう「キックバック」でした。ほかにも、実際には使っていないツールを使ったと報告した例や、導入したツールをすぐに解約していた例があります。不当とされた補助金は、返還を求められます。
①は2023年3月3日時点の集計です。②の会計検査院の検査は、問題がありそうな事業を抽出して調べることがあるため、すべての補助事業者のうち14%が不当という意味ではありません。
採択後に対象外・減額になる主な原因
確定検査や会計検査院の指摘でよく見られるのは、次のようなケースです。多くは、ルールを知っていれば防げるものです。
| 原因 | どうなるか |
|---|---|
| 交付決定の前に発注・契約した | その経費は原則として補助の対象外 |
| 見積書・発注書・納品書・請求書・振込記録がそろっていない、日付の順番が合わない | 支出を証明できない分が減額される |
| 一定額以上なのに、相見積もりを取っていない | 対象外や減額になることがある |
| 現金払い・手形・相殺で支払った | 原則は銀行振込のため、認められないことがある |
| 機械の型番や経費の配分を、承認を受けずに変えた | 変更した部分が対象外になることがある |
| 振込手数料、値引き・ポイント充当分、汎用品が入っている | その分が対象外 |
| 実際の支出が計画より少なかった | 補助金は実際の支出額に補助率をかけた額になる |
| 補助金で買った設備を、承認なく売った・貸した・別の用途に使った | 補助金の返還を求められる |
| 賃上げや事業化の目標を達成できなかった、報告を出さなかった | 補助金の一部または全部の返還を求められることがある |
補助金の交付決定が取り消されて返還する場合は、受け取った日から年10.95%の加算金がかかります(補助金適正化法)。
採択後につまずかないためのチェックリスト
- 交付決定の通知が届くまで、発注・契約・支払いをしない
- 見積から振込まで、すべての書類を経費ごとにまとめて保管する
- 支払いは銀行振込にし、振込手数料は補助対象から外して計算する
- 型番・金額・発注先を変えるときは、先に事務局に相談する
- 補助金で買った設備は、処分制限期間中は売ったり貸したりしない
- 賃上げなどの目標は、守れる数字で計画する
- 事業化状況報告などの提出期限を、カレンダーに入れておく
よくある質問
採択されたら、補助金は必ずもらえますか?
もらえるとは限りません。採択は「補助金を交付する候補に選ばれた」段階です。その後の交付申請、事業の実施、実績報告、確定検査を経て、補助金の額が確定してから支払われます。交付決定前の発注や、証拠書類の不備などがあると、対象外や減額になります。
採択後に辞退することはできますか?
できます。資金の手当てができない、事業の状況が変わったなどの理由で、採択後に辞退する事業者もいます。辞退の手続きは補助金ごとに事務局が定めています。交付決定後に事業をやめる場合は、廃止の承認申請が必要になることがあります。
補助金を受け取った後に返還を求められることはありますか?
あります。虚偽の報告、補助金で買った設備の無断売却や目的外使用、賃上げなどの目標の未達成、事業化状況報告の未提出などで、返還を求められることがあります。不正による交付決定の取消しでは、年10.95%の加算金がかかります。
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無料で相談するこのページは、公表されている資料や解説記事をもとにまとめたものです。手続きのルールは補助金や公募回によって異なるため、必ず最新の公募要領と交付規程をご確認ください。