産廃許可の「経理的基礎」とは?債務超過・赤字のときに求められる経営診断書
産業廃棄物処理業の許可や更新で、申請先から「経営診断書」や「中小企業診断士の診断書」を求められることがあります。どんなときに求められ、何を書く書類なのかを、静岡県・愛知県・三重県の公表資料をもとにまとめました。
「経理的基礎」は、事業を続けていける財務の力
産業廃棄物の処理は、途中で事業が止まると、廃棄物が放置されるおそれがあります。そのため許可の審査では、設備や知識・技能だけでなく、事業を続けていける財務の基礎があるかが確認されます。これを「経理的基礎」と呼びます。
決算書で問題がなければ、特別な書類はいりません。気をつけたいのは、債務超過(負債が資産より多い状態)や、赤字が続いている場合です。
どんなときに、どんな書類を求められるか
| 自治体 | 求められる場面 | 書類 |
|---|---|---|
| 静岡県 | 債務超過、3期連続の赤字など | 経営改善計画書(借入金返済計画書)、中小企業診断士の診断書等(状況によりどちらか、または両方) |
| 愛知県(処分業) | 直前の事業年度が債務超過の場合など。営業実績3年未満の場合も | 今後5年間の収支計画に基づき、中小企業診断士または公認会計士が作成した経営診断書 |
| 三重県 | 追加書類が必要な場合(収支・資金計画書等の代わりに診断書も可)。売上の前期比の伸び率が15%を超える場合などは協議のうえ | 中小企業診断士・公認会計士等の診断書等(収支・資金計画書等の内容を含むもの) |
出典:静岡県「産業廃棄物処理業の経理的基礎の確認」(公表資料)、愛知県「産業廃棄物処分業の経理的基礎に関する審査基準」、三重県「産業廃棄物処理業等許可に係る経理的基礎の審査ガイドライン」。ほかの都道府県・市でも、独自の基準を設けていることがあります。
経営診断書には、何を書くのか
求められる書式は自治体で異なりますが、中身はおおむね共通しています。いまの財務の状況をどう見るか、赤字や債務超過の原因は何か、今後の収支計画(愛知県では5年間)に無理がないか、そして改善のために何をするか、です。
大事なのは、収支計画の数字に根拠があることです。受注や処理量の見込み、単価、人件費や車両・設備の費用、借入金の返済を積み上げて、計画どおりに財務が良くなっていく道筋を示します。
早めに準備したいこと
- 申請先の手引きで、経理的基礎の基準と求められる書類を確認した
- 直近の決算書(3期分が目安)をそろえた
- 今後の売上・費用・借入金返済の見込みを整理した
- 赤字・債務超過の原因と、改善の取り組みを説明できる
よくある質問
経営診断書は、誰が作れますか?
自治体の基準によります。静岡県は中小企業診断士、愛知県(処分業)は中小企業診断士または公認会計士、三重県は中小企業診断士・公認会計士等としています。
会社を作ったばかりで、決算が3期分ありません。
扱いは自治体で異なります。静岡県は法人としての業績が3期に満たない場合は直近が債務超過でも提出を求めないとしている一方、愛知県(処分業)は営業実績が3年未満の場合にも経営診断書の添付を求めています。
経営診断書の作成は、中小企業診断士にご相談ください
決算書をもとに状況を分析し、自治体の求める内容に沿って作成します。初回のご相談は無料です。
産廃の経営診断書について相談する産業廃棄物処理業の許可申請書の作成や申請手続きの代理は、行政書士などの業務のため、当事務所では行っていません。審査の基準は自治体ごとに異なり、変わることがあるため、申請先の最新の手引きを必ずご確認ください。